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昨年、GMを抜いて世界の自動車生産台数トップに躍り出たトヨタが、09年3月期の決算では営業利益3割減だという。
サブプライム・ローン問題に端を発した円高や米国内の需要の減少、原料高などによるものだが、今後自動車業界はどのような方向に向かってゆくのかという話だ。
個人的には気になるところは2つ。
1つ目は、自動車の環境対策の面で、日本がこれからもイニシアティヴを持ってゆけるのかということ。トヨタは10年前に、赤字を覚悟でプリウスに投資をし、それが現在の成功につながっている。
日本のメーカーの環境対策技術がすごかったのは、一昔前の話で、今やヨーロッパのメーカーに負けつつある、という話がある。例えば、太陽電池の生産量において、シャープは7年連続で世界のトップを誇っていたが、2008年にドイツのQセルにトップを奪われている。
自動車メーカーは、遅れつつある日本の環境対策技術を担っていって欲しいと思う。
2つ目は、新興国のメーカーの隆盛だ。今年1月、インドのタタ自動車が日本円で25〜30万円程度の低価格車「ナノ」を発表した。今や新興国が主要な市場となっている日本の自動車メーカーにとって大きなライバルとなり得る。トヨタが営業利益3割減となっているのに対し、スズキは6%減にとどまっている。他のメーカーに先駆けて、インドにおける市場を開拓してきたからだ。
新興国の現地メーカーとの競争という、今までになかった構図を前にして、今後自動車産業がどのように生き残ってゆくのか興味深い。