デイヴィッド・サルツブルグ『統計学を拓いた異才たちー経験則から科学へ進展した一世紀』

統計学を拓いた異才たち(日経ビジネス人文庫)

統計学を拓いた異才たち(日経ビジネス人文庫)

昨日の夜に生協でタイトルに興味をひかれて買って、先ほど読み終わった。文庫で500ページ弱あるが、非常に面白く書かれていて一気に読めた。

「科学にとっての実物は数値の分布であり、その分布は母数によって説明される」という、カール・ピアソンによる統計革命を中心に、フィッシャーやネイマンなど様々な統計学者のエピソードが書かれている。単なる伝記ではなく、統計学の本質に関わる問題が随所で紹介されていて勉強になった。特に、デミングの仮説検定への批判はもっと知りたいところ。

数式を一切使わず書かれているので、説明が足りない部分が少なからず感じるところがあるけれど(ベイズやコクラン、ルービンあたりが特に)、それはまあ仕方がない。