東大受かってもすぐに休学、新制度に22人応募

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130321-OYT1T00004.htm?from=tw


教養学部のページでどういう制度なのかを確認してみたところ、留意事項に書かれていることが気になりました。

4.独立行政法人日本学生支援機構の大学等奨学生採用候補者は、本プログラムの採用・不採用に関する結果が出るまで、進学後の手続きを行ってはいけません。また、本プログラムに採用された場合は、同奨学金を辞退する必要があります。

5.独立行政法人日本学生支援機構以外の奨学金を受ける予定の者は、本学入学後、休学となった場合についての扱いを確認し、必要に応じて辞退等の手続きをする必要があります。

6.学生宿舎に入居した者は、活動内容によっては退室となる場合があります。


奨学金を辞退する必要があり、場合によっては学生宿舎も退室する必要があるというのは結構大きいと思います。
東大の2010年の学生生活実態調査によると、日本学生支援機構その他の奨学金を受けている学部生は22.7%、東大その他の寮に入居している学部生は18.4%それぞれ推定でいるわけですが、これらの学生たちがこの制度を利用する可能性は上記の条件からして低そうだと思いました。


活動資金として最大50万円を補助するとのことですが、期間中にボランティアや留学をするとなれば、その間のアルバイト収入は見込みがたいわけで、奨学金が止まるとなると、結局は親から十分な仕送りをもらえるような家庭の学生しか利用できないのではという印象を受けます。


上記の記事における、「1年休学して、高校時代の友人たちの“後輩”になるのは耐えられないのでは」「休学中の計画を考える余裕があるのは、高校2年で受験勉強を終えてしまう最優秀の受験生ぐらい」という教員の声はまあその通りなのかもしれませんが、こうした制度の条件や、経済的な問題がある可能性が指摘されないのは問題があると思いました。制度の理念を否定するつもりはないですし、もちろん優秀な新入生には様々な経験を積んでほしいですが。