あたかも一万年も生きるかのように行動するな。不可避のものが君の上にかかっている。生きているうちに、許されている間に、善き人たれ。
――マルクス・アウレリウス・アントニヌス『自省録』第四巻17
上記は、ローマの五賢帝の一人であるマルクス・アウレリウスの著作より。
皇帝の職にある多忙な身であったにもかかわらず哲学へと熱心に打ち込み、歴史上他に例を見ない、プラトンが理想とした哲人政治を実現した人物です。
いかにもストア派らしい、感情の安定と節制的な生活実践を求める箇所が多々あり、読んでいて身を引き締められるところがあります。
書物として体系だった構成にはなっていませんが、少しずつ読み進めるにはそうした作りも悪くありません。