Crazy Rich Asians

 

 AMC Loews Boston Common 19にて。公式サイトはこちら

 ハリウッド映画にしては珍しく、主要キャストが軒並みアジア系俳優という作品です。ちなみに邦題は『クレイジー・リッチ!』となっているようで、邦題をつける時は意訳であったり副題であったりで原題よりも長くなる印象があるのですが、本作はむしろ逆ですね(でも、「!」を余計に入れるところは、いかにもという感じがします)。

 貧しいシングルマザー家庭で生まれた中国系アメリカ人で、ニューヨーク大学の教授として働く女性が主人公になっています。交際しているボーイフレンドが故郷のシンガポールで親友の結婚式に出席することになり、彼女にもぜひ一緒に来てほしいという誘いに応じ、生まれて初めてアジアを訪れることになるものの、実はそのボーイフレンドが「クレイジーな」レベルの富豪で…というようなプロットです。

 ボーイフレンドの家族に結婚を反対される描写があるのですが、その際に主人公の出自が洗練されていないという他に、(中国人の両親の元に生まれているにもかかわらず)「アメリカ人だから」という育った場所による境界がロジックとして使われていたのが面白かったです。

 全体として文化的、あるいはジェンダーによる葛藤の他にも、笑いあり、涙ありで、またハリウッド映画ならではのド派手な演出もあり、質の高いロマンティック・コメディでした。