佐倉統『進化論という考えかた』


進化論という考えかた (講談社現代新書)

進化論という考えかた (講談社現代新書)

今学期に授業を受けている先生の本。

ダーウィンの進化論を中心に、そこから派生した学問、科学をめぐる専門家と一般人の関係などについて論じている。

ダーウィンドーキンスあたりはいいんだけれど、出てくる人名や専門用語が多すぎる。網羅性を高めようとして、説明が抽象的、簡略すぎて未消化に終わっている部分が多い。

文献リストが整理されているので、生物学を学ぶ人のための入門書としては良さそうだけど、自分のような違う畑の人間には敷居が高かった。その意味で、筆者が目指している専門家と一般人の間の「科学技術コミュニケーション」が本書で達成されているとは言い難い。

各章のエピグラフ村上春樹の『風の歌を聴け』から引用されていて、なんだか懐かしくなってしまった。久々に読み返そうかな。