山田昌弘・白河桃子『「婚活」時代』

学科の控え室に友達が買ってきていたので、読んでみた。

お見合い結婚や職場恋愛が減少して恋愛市場が自由化されたこと、非正規雇用の増加による経済格差が拡大したことなどによって、「結婚したくてもできない層」が増加した。そのために、現代では就活ならぬ「婚活」が結婚するためには必要だというのが本書の趣旨だ。

家族社会学を専門とする山田昌弘が、少子化・非婚化・晩婚化の流れを平易に解説、フリーライター白河桃子が、取材をもとにした具体的な事例を紹介し、最後に2人の対談、という体裁を取っている。

「婚活」うんぬんよりも、経済力やコミュニケーション能力の格差によって結婚がしづらくなっているという事実はあまり知られておらず、もっと社会的に認知されて良いと思う(山田昌弘が別の本で言っている通り、発言することが自体が憚られる風潮だということは確かであるが)。


結婚、及び恋愛への「危機感」を煽る本として位置づけることができると思った。本書の提唱する「婚活」の具体的な方法としては、メッセージが「女性は狩りに出でよ、男性は自分を磨け」と何だか平凡だ。

あと読んでて一番驚いたのは、山田昌弘が学生時代に「駒場子ども会(東大と日本女子大からなるボランティアサークル)」に所属していたということ。