- 作者: 堤未果
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2010/01/21
- メディア: 新書
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次期大統領選に向けた共和党後補の指名争いが山場を迎えている。ということで積んだままだった本書を消化。
(新聞の見出しでよくGOPというのが出てくるが、Grand Old Partyの略だということを少し前に知った)
大学の授業料が上がる中で、教育ローンの負担が非常に重くなっているという話はしばしば聞いていたが、本書で出てくる事例はすごい。
医療保険の話と共通しているのは、単一の公営機関が行った方が効率的になる可能性があるのに、大きな政府への懐疑によってそれが実現せず、企業が価格を吊り上げることで、結果として社会全体のコストが大きくなってしまうというもの。
しかも、Tea Partyの運動に表れているように、過剰な公的セクターの縮小によって被害を受ける人々が、むしろ積極的にそれを支持するということが起きている。本書でも、メディケアを受けている高齢者が、メディケアは政府が運営しているということを知らずに、皆保険に反対するという事例が見られる。
4章で描かれる刑務所ビジネスというのは知らなかった。
刑務所の囚人に仕事のアウトソーシングをすることで、企業は莫大に人件費を節約することができる。また、新規に建設される刑務所が不動産商品となってお