- 作者: 阿部彩
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2008/11/20
- メディア: 新書
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ゼミ文献。先進国の中でも高いと言われる、日本における子どもの貧困の度合に着目した本。
ところどころ、提示されているデータが怪しいところはあるものの、親の所得だけではなく、学歴、文化資本、生活保護の取得率など多面的に論じられている良書であるた。
貧困について文化的な面から論じると、精神論に回収されてしまうというリスクがあるのだけれども(貧困状態にある人たちはやる気がない!)、自分としては所得のみからではなく、多面的に論じるべきではないかと思う。もし、所得を十分に保障したとしてもなお、将来の教育達成・地位達成に明確な差が表れているわけだし、より具体的な例を出せば、もし大学の授業料が無償になったとしても、なお進学できない人々がいることが指摘されているわけだから。