- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2004/12/03
- メディア: DVD
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ガス・ヴァン・サント監督の2003年の映画。7月に観た『ミルク』が面白かったので、借りてみた。
1999年に起きたコロンバイン高校銃乱射事件を題材としたもの。通常はカットされるような人物の移動シーンが細かく映されたり、特定の場面が視点を変えて複数回映されたり、時間軸が前後したりと形式が独特な映画だと思った。配役や台本も特殊で、主な登場人物はすべて一般の高校生から公募され、また、鍵となる台詞以外はすべてアドリブで撮影が行われたとのこと。
監督インタビューの中で言われていたが、特定のメッセージを発しようと意図された映画ではなく、観る人に解釈が大きく委ねられている。このあたり、同じ事件を題材にしていても、アメリカでなぜ銃犯罪が多く起きるのかを大きく問題にしていた『ボウリング・フォー・コロンバイン』とは対照的な作品だと思った。
悲惨な事件を扱いつつも、善悪や事件の動機をはっきりとさせず、安易な解決を提示しない点は、森達也の『A』、『A2』と共通するのではないか。ドキュメンタリーとフィクションの違いはあるけれども。