土井健郎『「甘え」の構造』

「甘え」の構造 [増補普及版]

「甘え」の構造 [増補普及版]

心理学に限らず、社会学歴史学・哲学など多岐にわたる研究を援用していて、ところどころは面白い。「ヒポクラテスの誓い」を理由に、精神科医としての臨床事例はほとんど出されていないのだが、むしろ特にその部分が面白かった。
だが、全体としては何だか雑な議論だなあという感想。「甘え」という言葉の明確な定義は与えられず、それと関連する言葉の議論にどんどん拡散してしまっているという印象を受けた。


日本人論・日本社会論は色々読みたいのが溜まっている。
とりあえず思いつくのは下記あたり。

中根千枝『タテ社会の人間関係』
川島武宣『日本人の法意識』
村上泰亮『新中間大衆の時代』
作田啓一恥の文化再考』