ブロニスワフ・マリノフスキ『西太平洋の遠洋航海者』

西太平洋の遠洋航海者 (講談社学術文庫)

西太平洋の遠洋航海者 (講談社学術文庫)

原著の半分くらいの翻訳でこの分厚さ。民族誌の記述はところどころ読むのがしんどく、頭に入らない部分も多かった。


機能主義人類学の祖(ということになっている)マリノフスキによるトロブリアンド諸島の民族誌的研究。
ソクラヴァ(首飾り)とムワリ(腕輪)を逆回りに交換してゆくという「クラ」の儀礼。
経済学が想定する原始社会の物々交換とは異なる、互酬性の原理が働いている。
また、その過程の初めから終わりまでが厳密な手続きと呪術によって規定されている。というような話。


文化人類学は自分でやろうとは思わないけれど、研究読む分にはとても面白い。
やはり、一つの社会について予め仮説を設けずに包括的に研究するという特性が、社会学とは異なっているのだろうと思った。
また、特に序章の部分の方法論的な部分など、人類学やる人にとっては非常に重要な文献なのだと理解した。