- 作者: ジェームズ・サミュエルコールマン,James Samuel Coleman,久慈利武
- 出版社/メーカー: 青木書店
- 発売日: 2004/09
- メディア: 単行本
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上巻を半分弱読んでいて放置していたが、さすがに読まないのはまずい本なので一から読み直し。
分厚いので(盛山先生がわざわざ言っていたけれども、『正義論』よりも分厚いわけだから)、なかなか骨が折れる。
また、上巻は定性的な記述がメインなので、かえってわかりづらくなっているような箇所もあった。
コールマンのsocial capitalについての話は、AJSの論文で読んだときは社会ネットワークの閉鎖性の印象が強かったのだが、本書では前の章からのつながりから、義務・期待・信頼・支配などの諸形態についての記述がむしろ頭に入った。
個人が効用の最大化を目的としていることを仮定していることなどがどうなのかという批判は容易に考えられるのだろうが、コールマンの関心である、マクロな社会システムからミクロレベルの個人への移行、個人の行為原理、ミクロレベルの個人からマクロな社会システムへの移行という社会システムの内部過程はどのようにして理論的に基礎づけられるのかという問題は、やはり社会学にとって中心的な課題の一つであると思った。