http://www.npr.org/2011/11/10/142182292/credit-controversy-who-made-key-cosmos-discovery
ハッブルの法則、高校時代にZ会の問題で解いて非常にわくわくした記憶がある。
はじめにざっと目にした時は、ワトソン&クリックの二重らせん並みの大御所の疑惑かと思ったが、ハッブル(とその同僚)は別に悪いことはしていなかったとのこと。
1929年にハッブルは、天体が我々から遠ざかる速度がその距離に正比例するという、現在は「ハッブルの法則」として知られる概念を提唱した。
しかし、その2年前にベルギーの天文学者Georges Lemaitreがすでに同様の内容を含む論文を発表していた。ただ、それはベルギーの雑誌にフランス語で出版されたために、広く知られることがなかった。
1931年になり、王立天文学会はLemaitreに手紙を出し、この論文を英語に翻訳することを薦めた。Lemaitreは了承し、その年の王立天文学会の雑誌に英語版が掲載された。
しかし奇妙なことに、英語版ではハッブルの法則に該当する内容を含むいくつかの段落が抜け落ちていた。
誰が英語に翻訳したかはこれまで分かっていなかった。ある科学者は、ハッブルの同僚がこれを訳し、Lemaitreの功績を消し去ろうとしたのだと言った。中には、ハッブル自身が手を加えたのだとさえ言う者もいた。
天文学者Mario Livioは真相を知るために調査を行った。その結果、Lemaitreが編集者に送った手紙を見つけることができた。その中に示されていたのは、論文を英語に翻訳したのはLemaitre自身だったということである。
彼はすでにハッブルの論文が英語で出ていたため、ハッブルよりも仮説的な内容を繰り返し述べる必要はないだろうと考えたのだった。
歴史科学者のRobert Smithは、科学上の発見は誰か一人に属するものだと通常思われているが、それはいくぶん間違っている場合もあるという。発見とはより頻繁には、何度も繰り返して起こる過程だというのだ。