Andersen, Robert and Herman G. van de Werfhorst. 2010. "Education and Occupational Status in 14 Countries: The Role of Educational Institutions and Labour Market Coordination." British Journal of Sociology 61(2): 336-55.
強固な職業教育を要素とし、また大規模なトラッキング、トラックへの早期の選抜など高度に階層化された教育システムに特徴づけられる国々は、あまり職業訓練が行われず非階層的な国々にくらべて、教育と職業の強い関係が見られる傾向にある(Allmendinger 1989; Brauns, Steinmann, Kieffer and Marry 1999; Kerckhoff 2001; Shavit and Müller 1998; Scherer 2005)。この知見の理論的な解釈は単純である。つまり、教育システムがより階層化され、より職業に特有なものであると、潜在的な労働者の資格はより透明性の高いものとなり、それゆえ教育と職業のマッチングもより強くなるのである。[338]
つまり、教育と職業のマッチングにとって重要なのは、必ずしも高い水準の階層化ではなく、むしろ正しい訓練が与えられていることである。この観点からすれば、労働市場の特徴、とりわけ雇用関係のコーディネーションが重要な因果的役割を担っているかどうか(Soskice 1994; Culpepper and Finegold 1999; Hall and Soskice 2001; Visser and Hemerijick 1997; Breen 2005)を評価することは重要である。少なくとも、教育システムの特徴の重要性にのみ焦点を当てるだけでは、全体像を描くことにはならないだろう。[339]