Lynch and Bartlett(2019)「社会学におけるベイズ統計――過去・現在・未来」

 

Lynch, Scott M. and Bryce Bartlett. 2019. "Bayesian Statistics in Sociology: Past, Present, and Future." Annual Review of Sociology 45: 47-68.

 

  • 過去40年間において、ベイズ統計を用いた論文の比率が社会科学分野ごとに示されているのですが、社会学でそれほど増えていないのはイメージ通りですが、政治学でもあまり増えていないのは意外でした。
  • ベイズ統計を明示的には用いていなくとも、BICのようにベイズ統計の理論に従った分析を慣習的に用いている場合もあるし、ネストされていないモデルを比較することが社会学の実証分析で重要な位置を占めていることに注意が向けられています。
  • 偽陽性(false positives)が問題となるのは、古典的な統計学における帰無仮説アプローチに著者たちは原因を求めており、これもベイズ的なアプローチによりよい解決が見られています。