芦田宏直(2019)『シラバス論――大学の時代と時間、あるいは〈知識〉の死と再生について』

 

シラバス論:大学の時代と時間、あるいは〈知識〉の死と再生について

シラバス論:大学の時代と時間、あるいは〈知識〉の死と再生について

 

 

  • 生協で平積みになっていて面白そうだったので買ってみました。著者の先生が以前からブログに書きためてきた文章を書籍化したもののようで、かなり分厚くトピックも多岐にわたっています。全部は大変なので、とりあえず1,2章まで読みました。
  • 大学設置基準の大綱化以降の大学改革・授業改革に対して展開されている批判はすべてがあたっているとは思いませんが、本書の中心的な主張である、「シラバスをコマシラバスへと転換させる必要性」に関しては、説得的でありかなり勉強になりました。
  • 従来型のシラバスを「概念概要」型のシラバスと形容し、授業を行うため、あるいは学生の理解度を測るための指針にまったくなっていないことが批判されます。これに対してコマシラバスとは、「時間」型のシラバスとされており、各回の授業においてどのような内容を教えるかを細目レベルで設定し、どのように展開するかを書き記したものとされています。
  • あるいは著者の言い方を用いると、コマシラバスとは「使う」シラバスであり、これに基づいて各回の授業は進められるということです。
  • 授業の進め方については自分自身まだまだ手探りな部分が多いのですが、たしかにこのようなコマシラバスをつくると、毎回の授業の見通しがかなりよくなりそうだという気がします。来年度の授業を準備する上で、本書で紹介されている例を参考に行ってみようと思いました。