伊藤亜聖(2020)『デジタル化する新興国――先進国を超えるか、監視社会の到来か』

 

  • 以前の職場でお世話になったことがある先生の著作です。中国経済がご専門の先生ですが、本書では中国を含む新興国に一般化可能なデジタル化の影響があるとみなし、「デジタル技術による社会変革は、新興国・途上国の可能性と脆弱性をそれぞれ増幅する」と主張されます。
  • 新興国論」という分野はあまり馴染みがなかったのですが、扱われている話題はどれもニュースでしばしば聞いたことがあり、イメージはしやすかったです。図表に何度か用いられていた、世界銀行の「世界開発指標」は面白そうなデータだと思いました。
  • 脆弱性」として取り上げられている権威主義国家におけるデジタル化の話は、目下のロシアによるウクライナ侵攻にも大きく関係してくる論点と言えそうです。