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やっぱり、CiNiiで論文を探せ、と教えてはいけない。

 もう5年ほど前に、「CiNiiで論文を探せ、と教えてはいけない。」という記事を書きました。当時は研究の進め方について今よりはるかに知識も経験もありませんでしたが、その状況なりに感じていた不満を吐露したもので、共感していただける方もいたようでした。

 あれから5年経ち、もうGoogle Scholarしか使わない生活を送っていますが(そもそも日本語の論文を調べることがめっきり減ってはいるのですが)、当時とはCiNiiの仕様も変わっているかもしれないと思い、あらためて少し調べてみました。

 ぱっと見て、前はなかったと思うのですが、「被引用件数:多い順」に加え、「検索スコア:高い順」というオプションでソートできるようになったみたいです。

 例えば、「社会階層 メリトクラシー 不平等」というキーワードで検索してみたとしましょう(全文検索を使用)。

 この領域では重要な、苅谷(2000)「学習時間の研究――努力の不平等とメリトクラシー」という論文があります。これが出てくるのが、「被引用件数:多い順」では32番目であり、「検索スコア:高い順」だと4番目でした。この事例では「検索スコア:高い順」の方がよいのでしょうか。しかし、どちらの検索オプションでもあいかわらず学会発表の要旨集録が上位に来る傾向があり、信頼できないところがあります。

 もう一つ気づいたのは、CiNiiはいわゆる「あいまい検索」に対応していないことです。例えば、先ほどのキーワードを少し変えて、「文化階層 メリトクラシー 不平等」としてみます。

 すると、検索者の関心としてはほとんど変わらないと考えられるにもかかわらず、先ほどの苅谷(2000)はヒットしません。一方で、Google Scholarではこのような問題が見られません。

 どちらのキーワードでも、苅谷(2000)が上位に来ます。Google Scholarはあいまい検索に対応しているようです。

 限られた事例しか調べていませんが、Google Scholarの優位性を示すには十分な結果ではないかと思います。CiNiiを使用すべきなのはあいかわらず、特定の研究者の論文を網羅的に把握したい時に限られるのではないでしょうか。

 ということで結論です。やっぱり、CiNiiで論文を探せ、と教えるべきではありません。