G.エスピン-アンデルセン『アンデルセン、福祉を語る――女性、子ども、高齢者』

アンデルセン、福祉を語る―女性・子ども・高齢者 (NTT出版ライブラリーレゾナント049)

アンデルセン、福祉を語る―女性・子ども・高齢者 (NTT出版ライブラリーレゾナント049)

ゼミ文献。

福祉国家論の権威、エスピン-アンデルセンが、自身の理論を一般向けに書いたもの。女性の社会進出、子どもの機会平等、高齢者政策の公平性確保という大きく分けて3つの観点に分かれている。

福祉とはコストなのではなく、社会的な投資であるということが一貫して強調されていた。また、ある国の中で福祉にかかる費用の総量は一定であり、国家が負担するか市場が負担するかの比率が問題である、そして市場に任せると富裕層しか福祉の恩恵を受けられないため、国家が負担しなければならない、という視点が面白かった。


なぜ、アンデルセンが敢えて福祉国家という枠組みにこだわるのか(ギデンズの言う「第三の道」や「社会投資国家」ではダメなのか)という辺りをもう少し勉強したい。