イエスタ・エスピン-アンデルセン『福祉資本主義の三つの世界―比較福祉国家の理論と動態』

福祉資本主義の三つの世界 (MINERVA福祉ライブラリー)

福祉資本主義の三つの世界 (MINERVA福祉ライブラリー)

途中まで読んでいたのを最後まで読了。

今やすっかり浸透している福祉(国家)レジーム論だが、単に福祉国家のあり方を社会支出の大きさで捉えるのではなく、質的な構造があることを提唱したというのがいかに新しいことだったのかを何となく感じとった。

ところで、第7章「完全雇用のための制度調整」では、福祉国家の将来についてかなり危機的・悲観的な見方がされていて、投資としての福祉国家の有効性を強調している近年の議論とは色合いが違う。