チャディー・メン・タン(2014=2016)『サーチ・インサイド・ユアセルフ――仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法』

 

 瞑想を多くの人にやってもらえるようにするには、科学の一分野にする必要がある。医学が科学の一分野になったのと同じだ。瞑想同様、医療は大昔から実践されてきたが、19世紀以降(パストゥールが微生物を調べて以来だろうか)、科学の一分野となってからは一変した。一番重要な変化は、アクセスだったのではないかと私は思う。医療は科学的になったとき、神秘的な要素がごっそり取り除かれた。新しい道具や設備、方法が使えるようになり、医療サービスの提供者の訓練と資格が大幅に改善した。つまり、前よりずっと多くの人が良い医療にアクセスできるようになったのだ。瞑想についても同じことが起こるのを私は目にしたい。

Kindle版 3914-20)

 

  • Googleの元エンジニアが瞑想を科学にすることを目指して、組んだカリキュラムが本書のタイトルである「サーチ・インサイド・ユアセルフ」というもので、2007年以来Googleの中で教えられているとのことです。
  • マインドフルネスや坐禅に関する本はいくつか読み、自分でも瞑想アプリを使って実践してみています。本書の記述も実感を持って理解できる箇所がそれなりに多かったです。
  • 特に面白かったのは、注意とメタ注意の区別でしょうか。メタ注意とは、自分の注意がそれたことを知る能力で、注意だけでなくメタ注意も鍛えるのが瞑想の実践とのことです。心を基本設定(デフォルト)に保つというのは、別の本でも書かれていたのを覚えていましたが(そちらではニュートラルとしていました)、メタ注意という言葉を導入するのは、自分にとって新しい発見でした。