マル激トーク・オン・ディマンド 第374回「なぜ日本人は死刑が好きなのか」

http://www.videonews.com/on-demand/371380/001318.php

タイトルの「なぜ」というのには皮肉がこめられていて、死刑について実はよく知られていないまま、死刑制度が存続していることが問題視されている。

読売新聞が2004年に行った調査で、81%の人が死刑制度を支持しているというデータが示されていたが、やはり多くの人が死刑はあるべきと考えているんだなと思った。どのような質問の聞き方をするかで、数値が変動する可能性はあるにせよ。

そして、その数値が死刑についての無知に少なからず起因するということ、もっと積極的に情報が公開されてゆく必要を感じた。

現在、先進国と呼ばれている国の中で死刑を実質的に存続させているのは、日本とアメリカ(州によって違う)ぐらいだということの意味を改めてとらえ直さなければいけないんじゃないか。この特異な状況において、死刑を存続し続けるのであれば、それなりの理由付けがなされなければいけないだろう。

高校の教科書で冤罪の可能性については触れられているが、それだけではなく死刑に犯罪抑止力があることはきちんと実証されていないこと(死刑を廃止した国で顕著な犯罪の増加は見られないこと)、遺族の感情を回復させるのに死刑以外の方法で成功している国があることなどはもっと知られてもよい。
少なくとも、死刑の方法が絞首刑であることすらあまり知られていないというのは、明らかに議論の土壌整備がなされていないと言える。

死刑というのは人の生死という感情の問題だけではなく、法の執行という合理的な判断が求められる行為でもある。裁判員制度を開始する前に、どれだけ死刑についてまともな判断ができているか、もう少し考えるべきではないかと思う。