Checchi, Daniele and Herman G. van de Werfhorst. 2018. "Policies, Skills and Earnings: How Educational Inequality Affects Earnings Inequality." Socio-Economic Review 16(1): 137-60.
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教育の格差(テスト得点と最終学歴)が所得格差に与える影響を分析する
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新古典派経済理論はスキルの不平等(テスト得点で測られる)と所得不平等の正の関連を予測し、学歴はそれ以上につけくわえるものはないと想定される;社会的閉鎖理論はスキルの不平等よりも学歴の不平等がより所得の不平等を予測すると主張する
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新古典派モデルでは能力に基づいたふるい分けが完全であると想定されるのに対して、社会的閉鎖理論ではインフォーマルな規範あるいはフォーマルな規制が人々の階層秩序を形成することを議論する
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両者を区別する上では、スキルと学歴を異なる指標で捉えることが必要である
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教育政策の地理的・時間的分散を操作変数として使用する
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第1のデータとして、学力得点にはInternational Mathematics Studyの情報を使用し、これに含まれる3つのコーホート(1950,1966,1981年生まれ)の学歴と所得の情報をEuropean Community Household PanelとEuropean Union Statistics on Income and Living Conditionsから得る
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どちらのデータセットにおいても、学力得点の不平等は学歴を統制した後にも所得の不平等に影響している;さらに学力得点の効果は学歴の効果よりも大きい
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教育政策の国家間・時点間の分散を操作変数として用いた分析では、教育改革が学力得点と最終学歴の不平等に影響することが示された
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分析結果は、閉鎖理論よりも人的資本的/機能主義的説明とより整合する;ただし、学歴は独立した効果を所得に及ぼしているという閉鎖理論と整合する結果も得られた
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明示的には分析しなかったものの重要となりうるのは、グループ内の不平等である;もし学歴グループ内の不平等が測定されたスキルと強く重なりあうならば、スキルのより大きな効果が見られたかを説明できる(これは新古典派/機能主義モデルとは依然として整合する)
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既存研究と同様に、教育のアウトカムの格差は所得格差と関連することが示された;所得格差を懸念する政策立案者は、教育の分布を政策アジェンダに組み込むべきことが示唆される
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分析の限界として、パネルデータではないために、現在の所得の格差が拡大していくのか縮小していくのかが不明である;しかし、能力の衰えは学歴によって異なることが既存研究で指摘されていることを踏まえると、所得の不平等は時間が経つとともに拡大するかもしれない